近年、先端機能素材として各方面から引っ張りだこのカーボン。
鉄と比べると、重さは4分の1でありながら、強度はなんと10倍！
それだけではなく、耐熱性の高さから飛行機のエンジン素材に採用されたり、
耐摩耗性の高さからポンプやバルブなどのに利用されたりしています。
我々に身近なところでは、スポーツ用品などで馴染み深いですね。

とはいえ、一口にカーボン素材と言っても多種多様。
G-SHOCK開発陣は、世界中にあるカーボン素材を比較検討し、
妥協することなくベストな選定を行っているそうです。
テストにテストを重ね、サンプルをいくつも潰してようやくたどり着いた完成形を
私たちは手にしているんですね。

初代MT-Gが誕生したのが、1999年。
そこから時間をかけて、ついにケースやベゼルにカーボン素材を取り入れたMT-Gがリリースされました。
G-SHOCKにおけるカーボン素材の採用それ自体は、本作が最初ではありません。
しかしながら、当モデル最大の特徴ともいえるカーボン積層ベゼルは、非常にチャレンジングな取り組みですね。

これ、めっちゃ美しくないですか？
制作工程としては、カーボンとグラスファイバーを積み重ねて焼き固め、それをベゼルの形に削り出します。
そして削り出し後に誇らしげに表れるのが、美しいカーボン積層面です。

開発陣のコメントによると、このカーボン積層面にはこだわりまくったそうですね。
何より、各シートがキレイに積層させることが、めちゃくちゃ難しい。
露出するベゼル断面からのぞく積層具合を、ミリ単位で調整する困難なシゴト、
カシオがやり切っちゃいました。

カーボンシートとグラスファイバーを積み重ねて焼く温度、これによって仕上がりが大きく異なるんですね。
そして温度のみならず、焼き固める時間や、その時の湿度も微妙に作用する。
これらを考慮しながら、試作に次ぐ試作を重ねること数十回。
通常モデルの2倍ものテストを経て、本作が完成したのです。
さすが、プレミアムモデルMT-Gですね。気合が違います。

時代は、ダウンサイジングです。
ノートPC、クルマ、航空機、会社組織、などなど。
大きくなりすぎたスマホも、揺り戻しとして小型化したモデルが人気を博したりしていますよね。

そして今回注目の「MTG-B1000XBD-1AJF」もイイ感じにダウンサイジング。
これが地味に嬉しいんです。
従来モデル MTG-G1000との比較において、 ケースサイズ(H×W×D) が3.0mm×3.0mm×2.5mmも小型化。
これは大きい変化です。

機能の充実をはかりながらも、耐衝撃性を確保して堅牢なつくりを目指すとしたら、
通常は大型化の流れになりますよね。
そこをダウンサイジングに舵をきって、ビジネスユースにもドハマリするサイズ感を実現しました。
本作は、カシオの販売計画を大幅に上回って売れたモデルとして知られていますが、
その売れ行き、中古市場でも同様の勢いです。
TPOを選ばない本作の魅力が、市場を熱くさせていますね！

プレミアムモデルという立ち位置から、その他にもこだわりポイントが多数あります。
カシオ山形工場のプロ中のプロが加工するインデックスやインダイアルは質感がヤバい。
そこら辺の高級時計を駆逐する勢いです。
加えて、各メタルパーツのミラーポリッシュとヘアライン加工のバランスの妙もさすがの一言。

機能面では、マルチバンド6（世界6局対応の標準電波電波時計機能）の搭載のみならず、
スマホと連携して自動で時刻修正してくれます。
この、いわゆるConnectedエンジン機能の組み合わせは、正確な時刻を刻む時計の完成形ともいえるのではないでしょうか。
中古市場でも高価格で取引される理由が垣間見える逸品、素晴らしい出来ですね。