横浜で生まれた猪木氏。
彼が13歳のとき、当時多くの移民を受け入れていたブラジルへ家族で渡ります。
日本での生活は貧しいものでした。
しかし、ブラジル サンパウロ郊外の農場仕事も熾烈を極めていたそうです。

そんな猪木少年の人生を変えたのが、あの力道山でした。
1960年、興行でサンパウロを訪れていた力道山が、猪木氏の身体能力の高さに目をつけてスカウト。
日本に帰国して、日本プロレスに入団します。
その後、ご存じの通り一流の人気プロレスラーとして昇り詰めていくことになるのです。
力道山との出会いがなければ、われわれの知るアントニオ猪木は、誕生していなかったかもしれませんね。

猪木氏はプロレスラーである同時に、類まれなるアイデアマンであり、究極のイベンターでもありました。
中でも、異業種格闘技の企画は破天荒の極み。
プロボクシング統一世界ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリとの戦いは、話題沸騰となりました。
ちなみに、アリのギャラ約20億円だったともいわれており、スケール凄すぎですね。

今日まで続く、総合格闘技の礎を築いたのは、アントニオ猪木、その人と言えるでしょう。

バイタリティーの塊である猪木氏は、プロレスラーの顔のみならず、実業家、
そして政治家としても知られていますね。

彼の政治人生のなかで、世間の度肝を抜いた出来事がありました。
イラク在留邦人、人質解放です。

時は1990年、湾岸戦争が正に始まろうとしていた時期。
イラクのサダム・フセイン大統領は、在留外国人を人質にします。
その多くは西洋人でしたが、日本人もアジア人としては唯一人質となったのです。
外務省主導で懸命な人質解放交渉が続けられましたが、いっこうに上手くいきせんでした。

しびれを切らした猪木氏は、被害者家族を伴ってイラクに乗り込み、
「スポーツと平和の祭典」を行うとぶち上げました。
緊張高まるイラクでは、命の危険さえもある状況下。
結局、日本の航空会社は飛ぶことができず、トルコ航空の協力によって、バクダッド入りします。

驚くことに、フセイン大統領は、猪木氏を国賓級の扱いで迎えたと言います。
一国会議員でしかなかったのに、これは異例の対応でした。

その後、平和の祭典は大成功を収めます。それが在留邦人の人質開放に繋がったのです。
もちろん、その他政治家や外務省の尽力も大きかったと思われます。
しかしながら、猪木氏の興行がきっかけとして日本人が解放されたのは、まぎれもない事実でしょう。
これまたスケールでか過ぎなエピソードですね。

今回注目する「DW-6900BIN-9JF」は、2001年に限定発売されたものです。
それから長い年月が流れましたが、今もなお猪木イズムは健在ですね。

2020年夏、新宿のビームスで開催されたイベント「猪木ジャパン」も大盛況でした。
猪木氏がリングデビューを飾ってから60周年を記念して企画されたもので、
6つのファッションブランドが、限定コラボTなど、数々の猪木限定アイテムを用意してイベントを盛り上げました。

会場に用意された、猪木氏の試合中の名シーンを切り取った貴重な写真の展示も人気を博しましたね。
加えて、レプリカのシューズやチャンピオンベルトなど、ファン垂涎アイテムもお目見えして話題となっていました。

今もなお注目され、ファンを熱くし続けるアントニオ猪木氏。
もはや闘魂注入のレジェンドですね。