G-SHOCKの初代モデル「DW-5000C」。

その誕生は1983年4月の発表まで遡るのですから、

40年近い月日を経て、今日のG-SHOCKがあるわけですね。

その間、様々な機能を取り入れ、性能の向上を図ってきました。

そしてデザインの方向性も多岐にわたり、多方面の業界とのコラボレートも

数多く成功させています。

世の中は魅力的なプロダクトに溢れていますが、

絶えず進化を続けながら、我々ファンを魅了し続けるG-SHOCKの存在は、

他とは一線を画す、特別な輝きを放っています。

簡単に壊れるモノ、それが当時の時計でした。

その常識に真っ向から挑戦したのが、 PROJECT TEAM「Tough」のメンバー。

壊れない時計を作るという、尋常ではない発想を具現化するために

活動を開始するんですね。

中心メンバーは、商品企画の増田裕一氏、設計の伊部菊雄氏、

デザインの二階堂隆氏。

開発初期の段階から、苦難の連続でした。

ギリギリまで追い詰められ、肉体的にも精神的にも非常に厳しい状況に陥ります。

数え切れない失敗を経験しながらも、何度も立ちはだかる壁を乗り越え、

ついに誕生させた特別な耐衝撃性能を誇る腕時計、それが「DW-5000C」なのです。

ご存知の通り、モジュールをケース内で浮遊させ、点で支える中空構造を取り入れることがブレイクスルーでした。

そして全面をウレタンで効果的にカバーすることで、驚異的な堅牢性を手に入れたんですね。

これがまさに、G-SHOCKの原点、オリジンです。

ちょっとここで、G-SHOCKが誕生した当時の時代背景を振り返ってみましょう。

当時は世界的にも、オイルショック後の3年にわたる景気停滞から脱して、

本格的な景気回復に向けて大きく動き出したタイミングでした。

時の総理大臣は中曽根康弘氏。

後にロンヤス関係と呼ばれるほど親しい間柄となった、アメリカのレーガン大統領の来日がこの年です。

そして、エンタメ関係でいうと、東京ディズニーランドが開園。

年末までに800万人を超える入場者数を数え、いきなり大人気となります。

テレビでは、NHK連続テレビ小説「おしん」が放映。

最高視聴率は、驚異の62.9%を叩き出して、大反響となりました。

スポーツでは、青木功氏がハワイアン・オープンで日本人初のアメリカPGAツアー優勝。

夏の甲子園では、PL学園が優勝。

桑田・清原の1年生コンビの活躍で、一大旋風を巻き起こします。

日本初の体外受精が行われたのも、この年。

当時は大論争を巻き起こしましたが、今では実施件数世界1位が日本となっていますね。

世の移ろいは本当に早いです。

当時、様々なニューカマーが登場します。

例えば、大阪の枚方市にTSUTAYAの1号店がオープン。

新商品では、大塚製薬の「カロリーメイト」、花王の「バブ」、

日本コカ・コーラの「アクエリアス」が新登場します。

メガブランドの歴史が始まった瞬間です。

ブランドのネーミングで言うと、郵便小包に今でのお馴染みの

「ゆうパック」の愛称がつけられました。

また、ハウス食品が「六甲のおいしい水」を発表。

現在はアサヒ飲料が引き継いて発売していますが、

ミネラルウォーターが本格的に市場に浸透したのは、ここからでした。

ファッションに目を移すと、講談社から「ViVi」、集英社から「LEE」が創刊。

そんな時代に、カシオ計算機から「G-SHOCK」がリリースされる訳ですね。

ちなみに、カシオは精力的でした。

電子手帳「データバンク」、ポータブル液晶の「ポケットテレビ」を同年に発売します。

勢いがありますね。

こうして1983年に始まったG-SHOCKの歴史。

紆余曲折がありながらも、着実にユーザーの心を掴んで市場に浸透していきます。

世界累計出荷台数をみてみると、

1996年に1,000万個達成し、2009年には2,000万個を突破。

そして2017年は、大台の1億個を突き抜けるという快挙を成し遂げます。

今もなおセールスを伸ばし続けて、押しも押されぬメガブランドとなった

G-SHOCKですが、その始まりは PROJECT TEAM「Tough」の飽くなき挑戦、

そして1983年に販売された、たった1つの「DW-5000C」から始まったんですね。

「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行く、ただ一つの道」

これは、メジャーリーグ年間安打記録を達成した際に、

イチローが残した有名なフレーズです。

まさにG-SHOCKも、コツコツと積み上げた結果が今日の驚異的な世界累計出荷台数に繋がっているのでしょう。

そんなG-SHOCKを支えてきたのは、数多くのファン達です。

G-SHOC公式SNSのフォロワー数を見てみると、

Facebook 950万人、Instagram 30万人、Twitter 7.1万人

Youtubeのチャンネル登録者数は10.8万人も集めているんですね。

また、G-SHOCKが面白いのは、上記のオフィシャルなアカウントにとどまらず

非公式のコミュニティグループが活発に運営されているところですね。

例えば、Facebookでは約110グループがアクティブに盛り上がっていて

メンバー総数は117万人にも及びます。

これって凄い数字で、時計ブランドのフォロワー数でいうとNo.1の位置づけと言われています。

皆さんは、世界のG-SHOCKファンが、どれぐらいの人数か想像できますか？

その推定の数は、カシオの決算発表資料にありました。

カシオが考える世界のG-SHOCKのコアファンの数は、500万人。

この層は、G-SHOCKを少なくとも3個以上所有していて、G-SHOCKをこよなく愛するガチなファンと想定しています。

そしてそれに続くのが、G-SHOCK好感層ともいうべき5,000万人。

彼らは、G-SHOCKを時計の購入候補として考える層で、

G-SHOCKの所有は2個以下ですが継続的な購入意向をもったファンです。

あくまでも推定の数字ですが、31カ国を対象とした大規模な調査を行ったうえでの想定のようですね。

カシオは、この数字を意識しながら、G-SHOCK好意層をコアファンに引き上げる施策、

そしてコアファンをロイヤルファンとして囲い込む施策を展開しています。

あなたは、どの層ですか？？

コツコツと勧めてきた歩みに区切りはありませんが、

周年のアニバーサリーと言えば、10年毎の区切りで行うのが通例でしょう。

2021年で言うと、LINEがサービス開始から10周年を迎え、様々なキャンペーンを展開中ですね。

他の企業では、サイゲームスも設立10周年となります。

アーティスト関連でいけば、乃木坂46も結成10周年。

ロックバンドのMY FIRST STORYや、昨年日本レコード大賞の優秀作品賞を獲得した

ダンスロックバンドのDISH//も結成10周年を数えます。

他にも、ジャスティン・ビーバー、miwa、SEKAI NO OWARI、

メジャーデビューを区切りにすると、ももクロ、三代目J Soul Brothers、

進撃の巨人で有名な、神聖かまってちゃん等も10thアニバーサリーですね。

さらに、2021年前後まで手を広げてみていくと、

2020年にはポイントプログラムなどを運用管理するPontaが

サービス開始10周年を迎えました。

また2022年には、東京スカイツリー、沖縄美ら海水族館が

開業10周年を迎えます。

これまで見てきたように、10周年を数えるブランド、サービス、アーティストは

まさに錚々たるメンバー。

生まれては消えていく厳しい競争を勝ち抜いた、いわばツワモノです。

実際にG-SHOCKは10周年をゆうに超えて、40年近く歴史を重ねてきたわけですが

最初の10年という区切りは、やはり特別なアニバーサリーと言えるのではないでしょうか。

そんな特別感を高めてくれるのが、アニバーサリーモデルに刻まれるシリアルナンバーです。

商品一つひとつに、個別の番号を付与するシリアルナンバー。

シリアルナンバーがあることで、その商品は自分だけが持っている特別な意味を持つことになります。

コレクターには、この数量限定の特別感があふれるシリアル刻印がたまりません。

スペシャルな宝物には、必ずといってよいほど固有のナンバーが刻まれているものです。

あなたは、「スノッブ効果」という心理効果をご存知でしょうか？

もしかしたら、スノッブ効果の真逆の効果と言われる

「バンドワゴン効果」については聞いたことがあるかもしれません。

バンドワゴン効果から触れると、「周りの多くのみんなが持っている商品は、
良いものに違いない！」という心理効果のことを言います。

一方のスノッブ効果は、その逆の心理効果を表していて
「周りの多くの人が持っている商品には価値がない。
自分は、他人と差別化したい！」

そんな欲求が高まる心理作用なのです。

限定商品好きのあなたは、他人とひと味違うものを持ちたい、

希少性のある商品を身に着けたい、そんな思いがありますよね。

私はあります。笑

でも、誰がなんと言おうと、心理効果がどうであろうと、

良いものは良い、欲しいものは欲しいですよね〜

1983本限定の10th アニバーサリーモデルには、その価値があります。

ちなみに余談ですが、マーケティングの世界では

この相反する「バンドワゴン効果」と「スノッブ効果」を巧みに抱き合わせて活用し、

最大の効果を狙います。

例えば、「入荷しても即売れの商品を、限定300個再販しちゃいます！」

そんなセールストーク、ありますよね。

これは、前半が「多くのユーザーがいるから安心」というバンドワゴン効果を狙い、

後半で「数量限定で希少性高め」というスノッブ効果を狙う、合わせ技って訳ですね。

実にあざとい。油断なりませんね。笑

それはさておき、今回のアニバーサリーモデルは

中古マーケットでも掛け値無しで人気が高いです。

G-SHOCK発売10周年記念モデル、そしてG-SHOCKの誕生した1983年にあわせて

1983本限定で発売という企画を持ってこられたら、ファンは黙っていられませんよね。

G-SHOCKの初号機DW-5000Cの復刻という事実、

そしてバンドに巻かれたプレートに刻まれたシリアルナンバー。

これをぶつけられたら、巧みなマーケティング手法とか横に置いておいても

ファンは抗うことはできませんね、絶対。

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